どうもこんにちは。
さて、今回は最近見た映画レビューとしてブレードランナー2049を紹介したいと思います。
とりあえず評価は以下としました。前作ブレードランナーは一応見ています。
① 4.7点(その映画の分野での評価)
② 3.5点(一般的な意味における「映画」での評価)
③ 【どっちでもいい】(結局、見るべきか)
あらすじは例によって省略します。wikipediaのあらすじは、完全にネタバレありで最後まで書かれていますので注意してください。
まず①ですが、基本的にSFとして問題のあるところは全然ありません。映像は美しく、前作ブレードランナーに引けをとらない世界観演出ではあります。
ただ一つ気になったのは、主人公は自分の家にアナ・デ・アルマス演じるウォレス社製のホログラム女性AIを置いており、もちろん彼女、ガールフレンドとして扱っているわけですが、その女性AIと重要な会話をしまくってしまっているという点です。
現代において、ある会社の提供するサービスであるということは、その製品があらゆる利用者の利用データを記録し、ビッグデータとして本社に送っていることは自明の事実です。例えば某G社のサービスを利用し、そのアカウントを利用することで、あなたの利用履歴はデータとして全て某G社に見られているということです。若年層では常識と化した某コミュニケーションアプリも同じです。
つまり、主人公は物語の中で得ていく重要な情報を、その女性AIとほとんど共有してしまっている。そんなことをすれば、その情報は完全にウォレス社に筒抜けであるということに、なぜ気付かないのか。有能な主人公がそれを警戒していないということは、非常に間抜けで不可解です。
ただ、主人公の設定上、ヒロインはその女性AIでしかありえず、映画の定石上ヒロインと一緒に困難を切り抜けていく必要があるので、その重要情報の共有は仕方ないともいえます。
続いて②ですが、役者の演技などには問題は全然ありません。展開も一応自然です。
ただ、映画として、イマイチだなという点が多々あります。
まず大きいのが、ウォレス社の社長、天才科学者のウォレス本人の、キャラクター造形です。これは少しネタバレあり。
正直って、稚拙だと感じました。単純に、ずば抜けて尊大な悪役過ぎる。こんな奴が、巨大企業の社長として存在できるわけがない。
発言のほとんどが、ファンタジー映画レベルの純粋悪のラスボスと見まがうほどの妄言にまみれています。
仮にもこの現実世界の延長線上としてのSF映画を描く上で、ここまでの単純悪としてウォレスを立てる必要があったのでしょうか。もちろんストリー展開は格段に楽になるからこうしたのでしょう。感情移入もしやすい。しかし、この単純化は映画としての価値を少々落としてると私は感じました。
前作ではこんな奴はおらず、悪役のレプリカントも純粋悪ではなく、彼らなりの生存理由があり、人造人間を人類の難しい相克を描けていたと思いますが、今回は、このウォレスという純粋悪が大きすぎて、物語が陳腐になっていると思いました。
また、続編をチラつかせる手法、展開には辟易しました。間違いなく、続編を作る可能性を想定して物語を終えています。こういったハリウッドの現実的なお金欲しさが垣間見えるのは、私は非常に嫌いです。ハリーポッターなどの次々と続編を出す前提の作品ではないはずなのに。
これで終わらせる、もしくは続編の余地を残さずに終わって欲しかったです。
というわけで、とりあえず以上とします。何か加筆するかもしれません。
それでは。