どうもこんにちは。
さて、今回は海の上のピアニストの感想を書きたいと思います。
評価は以下の通り。
① 3.5点(その映画の分野での評価、満点5点)
② 4点(一般的な意味における「映画」での評価、満点5点)
③ 【どっちでもいい】(結局、見るべきか)
いや、正直普通の映画だと思いました。期待しすぎましたかね。
ネタバレなしでざっくり言うと、
良い点:
・音楽(素晴らしい)
・映像
・主人公の悲哀
・終盤手前までのストーリー
悪い点:
・主人公が何を考えているのかよくわからない(言っていること自体はわかる)
・強制猥褻まがいの描写あり
・ラストが少々雑
そんな感じです。
では、以下ネタバレありの感想。
今回ジャンルはドラマとして考えると、ジャンル観点と映画そのものの観点で
分けて書くのが難しいため、一緒くたに書いていきますね。
まず賞賛しかできない要素、それはやはり「音楽」です。
まず冒頭の語り部と主人公の出会いの部分。移動するピアノは正直ありえないが、
でも美しい映像と楽しそうな二人、そして主人公の奏でる音楽は非常に美しかった。
また、ジャズの巨匠?との決闘。お互い素晴らしい技巧と美しい音楽で勝負する描写は素晴らしい。
(ただ最後の主人公の演奏は、異常なほどの技巧がわかるだけで、美しいとは思わなかったし、
それでジャズの巨匠も納得して負けを認めた感じがよくわからない)
さらには、好きになった女性を見つめながら、彼女の人生や人となり、そして主人公の感情を
音楽で表現する場面。これは素晴らしかった。
でも、もしかしたらこの音楽も、本当の優れた音楽家の方が聞けばイマイチなのかもしれませんので、
あくまで凡人一個人の感想です。
また、終盤手前までのストーリーはなかなかよかった。主人公の生誕から、
船の中での人生、ピアノ対決、女性に恋に落ちる場面、船を下りる決意までの流れなど。
では、何がイマイチに感じる要素だったか。
まずかなりのマイナスポイントは、強制猥褻まがいの描写でした。
夜中、女性専用客室に侵入し、眠っている女性にキス。
いやいやまあ、若かりし男どもなら妄想したことも一度や二度なくはないだろうが、
マジでやるのかよ。これも船の中というあまりに狭い世間しか知らなかったが故なのかもしれないが、
やっちゃったとしても、それを観客である我々に見せないでくれ。
え、嘘だろ、やらんよな?マジでやるなよ?え?え…やるんかい。あ~あ。
みたいな感じで、この場面でかなり冷めてしまいました。
また、主人公が何を考えているのかよくわからない。
あとから説明がある場合も多いが、その時々において、主人公がどのような感情で
どのように考えているのかが、見ていてわからない。だから、神秘的に感じるのかもしれないが。
なので、我々観客も語り部同様、傍観者にならざるを得ない。
また、最後に主人公が語る内容。
音楽は、鍵盤が有限で人間が無限。だが、地上の世界は?
鍵盤が無限なんて、神のピアノだ。僕はその中からひとつなど、選択できない、あまりに広すぎる、と。
ああ、わかる。非常にわかる。だが、我々一般的人間は、その無限の鍵盤のなかで
なんとか一つ一つ選択しながら自分なりの音楽を奏でざるをえないんですよ。
私も、日々絶望している。なぜこの世界はこんなに広く、無限の世界があるのか。
なのに、なぜ私の人生は有限で、たった一度しかないのか。
なぜ右も左もわからない中で、そのつど鍵盤を選択していかないといけないのか。
あとから考えて正解だったのかも、実はわからない。(決め付けることはできる)
そんな人が大半で、皆苦労しながらなんとかギリギリ生きている。
でも、主人公にはできなかった。あれだけの年齢になって初めて無限の世界が
眼前に現れたとき、もう、それに対応するだけの気力はないのだろう。
また、船を下りる決意をしたときも、理由は、海の声に今後の人生を決めてもらうためであった。
いや、人任せかよ。
かわいそうだが、そういうことなんだろう。
共感力が高い人は、この主人公の感覚に対し涙できるかもしれないが、
私はできなかった。
あとは、ラストの描写でしょうか。
船の中の世界しか知らない男が、船とともに死ぬ。それは見る前からだいたい予想していた。
だが、え、爆破で死ぬのか。雑じゃないですか?笑
もっとこう、戦争中、寄航中の船が空襲にあい、沈没する!みたいなときに
主人公はあえてこの船と最期を共にする、みたいな流れだと、悲劇的かつ主人公の生き方と思想が
反映されてよりよかったんじゃないですかね。
なんかこう、船を終わらせる手法が短絡的に感じたんですよね。
あと最後の主人公のギャグに対してつまらないと文句を言っている人も多いが、
まあ、許したれよ。笑 確かにつまらんし、いるか?と思ったが、もう死ぬんだから許したれよ。笑
だいたい、以上ですかね。
悪い映画では決してないのですが、なんとも自分にとっては普通の映画に感じましたね。
見ても見なくてもどっちでもいいと思います。世間的には評判がいいので、見てみてもいいかもしれませんけどね。
それではまた。